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濡れ衣は、良くない
ある特定の事柄と無関係か、いわれ無き非難によって名誉を失墜させられることを、濡れ衣という。

結構けんか腰で話に混ざることが多い私、それを以って「あいつは云々」というのは「いわれがあるから」濡れ衣でもなんでもない。それは正当な批判意見だと思う。

が、どーも今回のUOの小パッチ(日本語化パッチ)に関しては、濡れ衣が多いような・・・?

今回の騒動を見ていて、ソーサリアの地名ではない地名が関されたアイテムがあるのはおかしいって話を見かけた。しかしそのアイテムは昔っからその名前であり、日本語化によって地球上の地名が冠された訳じゃない。日本語化パッチと無関係に「問題である」事例だろう。植物関係では結構昔から知られた問題で、NPC本でも自虐的にその事に触れられている。
観葉化された植物とかの話も出てた。昔から英語では観葉化に似た英単語付いていたのだが、なぜか日本語化されたら気になるご様子。

UO内アイテムの名称に関する問題点というか、実装上の齟齬は確かにある。レイピア無いのにブロードソードって・・・「何に比べて幅広なんだーっ!」みたいな。
確かにあるが、それは別に今回のパッチでそうなったものではないだろう?
しかし、誰でも彼でも「日本語か良くない」で統一された意見出してるのはどういう事だ?
なんかソウルストーンがRPを阻害する論に似た、いやーな物をそこに見出してしまうんだが・・・

単純に、英語表記の方が好きだって言うなら何の問題も無い。好き嫌いは(突き詰めれば何か理由があるんだろうが)多くの場合直感的なものではある。好きじゃないからヤメれ・・・この意見には抗論のしようが無い。他人の感覚はいかんともし難いものがあるし。
しかし、なんか理屈こねてる人の話を見ていると・・・濡れ衣じゃねーかなーと思うものもある。
そしてその「濡れ衣じゃないのかなー」と私が思うことに対して、なんの理不尽も見出さずに「そうですよねー」と賛同している人もいる。

えー そうなん?
本当にそうなん?

私は個人的には「ローカライズはどんどん進めたほうがいい」という意見を持っている。
少しだけ立ち止まって「考えて」欲しい。
何もローカライズ推進派に鞍替えしろとかそういうことは言わない。ただ、あなたが問題視しているのは本当にローカライズによって引き起こされている問題なのか、そこを考えて欲しい。
Blacksmithを「黒いスミス」と思ったことは無いのか?
Evaluating IntelligenceをUO解説サイトやクライアント側の助けを借りずに「その指し示すもの」を理解できるような人は本当に凄いと思う(ぶっちゃけ、最初期に私は分からなかった。知性がどうした! みたいな感じ)
Cartographyなんてわかんねーよ。そんな単語覚えるような機会は私には無かったよ!
今でこそ、なんとなく分かるようにはなったが、それでも「滅多に使わない、特に長い単語」は各種サイトやクライアント見ないと私は書けない。
それでもなお、英語が良いのだろうか?
これからUOSAが導入された時、恐らくは数多くの「見慣れぬ英単語」が導入される。その時に「英語の方が雰囲気がイイ」という人は苦労も無くその単語を把握し、どんな物かを見分け、それが何なのかたちどころに理解できるのか? (パラリ訳みるもーん とか言うなよ)

たとえば今回、ブランクスクロールが「白紙のスクロール」に訳されたたが、それは「羊皮紙」でいーんじゃねーのと思わないでもない。
ヨモツの持ってるGourdはSE導入時にエキサイトの翻訳で「ひょうたん」と訳されてたので、ずっと「ひょうたん」だと信じて疑わなかった。今回「夕顔」と訳されてて少し驚いた。(まぁ、あんまり瓢箪は食わないよな・・・)
そこから更に調べてGourdに夕顔と瓢箪の二つの意味があることを知り、英語圏では夕顔も瓢箪も区別しないもんなのかな・・・と新たな発見をしてしまった。今回の翻訳で私は私の見識を広めることができ、非常に勉強になっている。

英語は得意じゃないが好きだ。特に英単語等から類推される「英語圏の人間の考え方」を覗き見ることは非常に興味深い。そういう意味で英語の奥深さを知るために英語に戻せというなら、私自身は、ちょっと実用上困るなーと思いつつ、賛成しよう。

ただ、その論拠が不確かであったり、そもそも誤解や濡れ衣に基づいて「英語に戻せ」という意見を見るたびに、こう思う。
それは本当にローカライズによってもたらされた問題なのか? 実は別種の問題なんじゃないのか? 直せと指摘するべき所が違うんじゃないのか・・・と。



私的にあっちこっちに書き散らかしている「ファンタジー奇想強要講座」番外編。
黒いスミスさんはお友達いないの?
実は、黒いスミスさん以外に金色スミスさん(パラゴンではない、Goldsmith:金細工師のことである)、白スミスさん(Whitesmith:ブリキ/銀メッキ職人)等がいる。
スミス(Smith)という単語自体は「職人」を意味する単語であり、そこに色をつけて「何の職人か」と表現しているのだ。しかしUOでは金専属の職人も、ブリキ加工のおもちゃも無い。黒スミスさんしか居なくなる訳だ。
Merriam-Websiteでは以下の様に説明されている。
Blacksmith :
from a distinction between black metal (iron) and white metal (tin)

つまり加工する素材によって名前が付いたと。あっちの感覚では鉄は「黒い金属」であると。
何で黒いのか・・・酸化してるんじゃないだろうか?
奇妙に思われるかもしれないが、西洋諸国に「るつぼ」や鋼の精錬法が伝わったのはかなり時代が下ってからになる。んで、鉄を熱してガッコンガッコン叩いてて酸化したのかもしれない。
そう考えると、ソーサリアにも坩堝(るつぼ)無かったなぁ、とかプレート系装備の様式がゴシック式ではなく初期型に近いなぁ(2Dクライアント画像ね)とか、いろいろ思い当たる節はある。

こういう部分を知ることができる/調べるきっかけになるから、英語表記もまた面白い。
ただ、みんながみんなこんなことする訳じゃないだろうし、単語一つ一つを調べるのも面倒ではあるわな。しってっからどーだって話でもあるし。
翻訳によって誤解が発生する可能性や、昔懐かしの「贋金だ!」パッチみたいなことにならないのであれば、翻訳はどんどん行うべきである様に思う。
by sohvessel | 2009-02-16 17:15 | 日々思う事
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